活動歴
(1)当会主催によるセミナー等
(2)談話会および理事会
当会の役員のみで開催した主な会合は以下のとおりです。
2014年8月7日(木) 「象牙のことを知り考える会」談話会開催(芸能花伝舎にて)
マルミミゾウの絶滅危機と邦楽の未来を問いかける西原によるプレゼンテーションと、それに関する意見交換。
2016年4月2日(火) 「和楽器の響きを次世代に伝える会」の今後についての議論。会則や役員組織の検討、会の名称を「和楽器の未来を創る研究会」に変更することについての審議。
2016年6月14日(火) 新素材開発研究の進捗状況に関する打ち合わせ。
代替材料が具備する機能の理解に基づいた材料設計。
大型プレス装置などを使わない簡便な製造プロセスの提案。
研究経費獲得の必要性の認識。
2016年11月16日(水) 第1回総会開催(芸能花伝舎にて)
「象牙のことを知り考える会」そして「和楽器の響きを次世代に伝える会」として活動してきた会の名称を「和楽器の未来を創る研究会」に改める。
「ワシントン条約(CITES)第17 回締約国会議」における象牙関連の決定事項と今後の動向についての報告。
新素材開発では、マルミミゾウの象牙の特質を「高強度としなやかさ、吸湿性として認識し、これらの特徴を有する材料へと設計を進めている進捗状況の報告。
2017年8月8日(火) 理事長、副理事長、幹事、庶務、会計による進捗状況の意見交換会(新宿にて)。
2017年12月5日(火) 第2回理事会開催(田中田村町ビル会議室6Aにて)
第1回総会以降の関連省庁や企業・機関との会合結果を報告。
新素材開発について、撥の「しなり」具合を見るために「ハギ」として開発、試演の可能性の提案あり。
2018年7月3日(火) 第3回理事会開催(東京芸術劇場ミーティングルーム7)
メディアへの対応方針を審議、確定。
新素材の他分野への流用についての可能性を議論、印材や洋楽器への利用が提案された。
「楽器証明」による邦楽器の輸出入に関しての現状を報告。
新素材による試演。
2019年3月26日(火) 第4回理事会開催(貸会議室プラザ八重洲北口3F-4号室)
助成金申請についての報告と議論。
メディア(BBC)への記事掲載についての報告。
2019年7月19日(金) 第5回理事会開催(新宿ワシントンホテル隣 新宿都庁前近くの貸し会議室Spacee)
経産省から提案された助成金についての報告。
「和楽器の未来を創る研究会」会員の、外部組織との繋がり方の確認。
新素材による試演。
2019年12月11日(水) 第6回理事会開催(貸し会議室プラザ八重洲北口5階1号室)
紅木を使った楽器に関するアンケートについて報告。
新理事候補の紹介。
新素材による試演。
(3)新素材開発と試演
2014年 新素材開発に向けて研究開始。「ハード材」象牙の構造に学び、それに類似する材料の設計を目指す。マルミミゾウの象牙「ハード材」象牙が持つ「高強度、しなやかさ、吸湿性」といった性質を同時に達成する有機・無機複合体を目指す。
2016年11月 直径5cm ×
厚さ1cm程度の大きさで試作品を調製。その後、最大直径8cm厚さ1cm程度の新素材の試作品を作製。それを楽器商の技術により削ることで、箏の爪の試作、撥の先端部分に取り付けたうえで、演奏家による試演を何度か実施。その結果から材料の組成を改良、さらに新素材の機能改善のための試作を続ける。同時に、撥の製作に必要となる大きなブロックの製作へ向けて、研究開発を進める。
2017年5月1日(月) 新素材の最初の試作品による箏の爪での試演。演奏者からは「プラスチックとは違い象牙に近づいている」との印象あり。
2018年7月3日(火)、7月19日(金)、12月11日(水)それぞれ第3回・第5回・第6回理事会にて、新素材を用いた箏の爪、新素材を撥の先端の両端に貼り付けた撥を使って試演。
新素材により製作された爪による箏の試演(©西原智昭)
(4)関連省庁・議員との会合
2017年4月11日(火) 文化庁訪問。
「和楽器の未来を創る研究会」設立と主旨を説明し、理解とサポートを求める。
新素材開発という前提から科技庁や経産省とコンタクトすべき旨を聞く。
2017年8月18日(金) 「文化芸術推進基本計画」策定に向けた懇談会(日本芸能実演家団体協議会主催)
芸団協から出席の依頼を受け、「新素材開発の重要性と資金的なサポートの必要性を主張する。
2017年9月14日(木) 文化庁で検討が進められている「文化芸術推進基本計画」策定に対して、当会から文化庁長官宛で要望書を提出。その内容は、「伝統音楽の実演家、楽器商、日本音楽の研究者、自然
環境保全の立場から、伝統文化芸術を継承していくには、楽器等を安定的に提供する必要があり、その関連産業の育成も不可欠であることを主張。そのためには国家プロジェクトとして関係省庁が連携していく必要がある」というもの。
2017年12月5日(火) 文化庁・経産省・環境省との会議(経済産業省別館114会議室にて)
当会の主旨と進捗状況を説明。
新素材開発は単なる工業製品の開発ではなく、演奏家との協議の上で開発していくことを強調。
関連省庁の横のつながりによる進展を要望
新素材のビジネス性や汎用性についての検討が必要となる点を明確にすることが求められる。
2019年5月10日(金) 長尾敬議員と当会主要メンバーとの会合(衆議院第2議員会館にて)
長尾敬議員から、「いまはオリンピックを契機に文化・芸術への注目度は上がっており、首相提言にもあるように『文化資源を観光資源に』という強い動きがあるなか、文化立国調査会(山谷えりこ議員主催)での話し合いが実現できるようにお膳立てしたい」旨の発言を得る。
2019年6月14日(金)文化立国調査会(自民党本部にて)
邦楽の現状と課題について(田中理事説明)
象牙に関する現状と要望について(西原副理事長説明)
象牙に代わる新素材開発は国(特に経産省)としてサポートすべきである(長尾議員)。
文化庁は邦楽に関しての教育(自治体主導、大学のサークルも含む)やイベントの情報をもっと整理してほしい(山谷議員)。
長唄分野での教育予算を復活させてほしい(今藤理事長)
楽器の輸出入に関し「パスポート制」に必要なシリアル番号(1975年以前に輸入したものであることを証明するためのもの)をどうするべきか、いまのところ証明する手段がない(経産省)。
2019年7月4日(木) 経産省との会合
新素材に対する経産省からの助成金についての説明があった。
2020年1月23日(木)長唄の教育・普及に関する事業について文化庁とともに長尾敬議員へ問い合わせ。
(5)関連企業・機関との会合
2014年から2017年の間に、素材開発に関わる合計6企業、4研究機関、4楽器関係者・機関、ほか4団体を訪問し、象牙に代わる新素材開発に関する情報交換を実施。
(6)公開セミナー・研究会での発表
2014年8月23日(土) “Cultural heritage and global bio-diversity – shamisen plectrums and forest
elephants” The 4th International Symposium of the ICTM Study Group on Musics of East Asia
(MEA)(奈良教育大学にて)西原智昭講演
2016年11月11日(金)『ワシントン条約会議(COP17)報告会 ゾウ(象牙)提案の動向と今後のあり方』(楽器協会にて)西原智昭講演
2016年11月17日(木)『和楽器における象牙と猫皮問題の背景にある課題』(東京藝術大学楽理学科での講義の一部)西原智昭講演